筆者:秋廣泰生
ライター/映像演出家。元・円谷プロ製作部所属。1980年代後半より、ウルトラマンシリーズをはじめ、円谷プロ作品の映像商品の制作や、出版物、CDの構成執筆を手掛ける。VHS時代の再編集ビデオの殆どで編集・演出を担当。テレビ番組演出は『ウルトラマンボーイのウルころ』『ウルトラマン列伝』など。
2024年5月!〈大怪獣シリーズ〉に平成のウルトラ怪獣が新たに加わります!
その名は〈モンスアーガー〉──『ウルトラマンダイナ』第11話「幻の遊星」で初登場し〈破壊獣〉の別名で呼ばれる、攻守に優れた生物兵器の一種とされる怪獣です。
今回は撮り下ろし写真を交えながら、モンスアーガーの魅力を紹介していきたいと思います!
地球と同様の自然環境に満ちたメラニー遊星の地下施設で、円筒形のカプセル内に収められていましたが、実は自然環境は、遊星への来訪者を殲滅するための実体の無い罠でした。モンスアーガーは覚醒・巨大化すると、調査に訪れていたスーパーGUTSに猛威を振るい、ウルトラマンダイナとの一騎討ちになだれ込みます!
なお、同種族の怪獣が第31話「死闘!ダイナvsダイナ」にも登場。〈モンスアーガーⅡ 〉です。
モニター越しに、その姿を目にしたスーパーGUTSのマスコットであるハネジローが「アーガー!」と驚きの声をあげていましたが、実は〈アーガー〉は、企画時での名称だったと言われています。
また、令和の時代にも更なる個体が『ウルトラマンデッカー』第4話「破壊獣覚醒」に登場するなど、モンスアーガーへの注目度の高さがうかがえます。
〈平成ウルトラマンシリーズ〉第1作『ウルトラマンティガ』では、物語の展開から発想された姿形の怪獣が比較的多かったのですが、続く『ダイナ』では、特徴や能力から発想された姿形を持つ怪獣が続々と登場するようになります。
第11話ならびに第31話で本編・特撮ともに演出を手掛けた原田昌樹監督は、初代『ウルトラマン』のリアルタイム世代で (撮影現場で愛用していたアポロキャップの側面には科学特捜隊の流星バッジ!) 、モンスアーガーの体躯にも『ウルトラマン』の登場怪獣たちの様な、力強さとスマートさがみられ、原田監督の抱く怪獣感が伝わってくるようです。
もちろん第31話での同種登場も、自分の撮った怪獣を大事にする、原田監督の怪獣愛の賜物でした。
また、第11話はウルトラマンダイナ ストロングタイプの活躍回でもあり、隆々とした互いの量感の拮抗や、ボディーカラーでも赤系対赤系と、実力伯仲が意識されたバランス感覚も見事です。
その一方で第11話は、ハネジローの初登場回でもあるので、黄色系のハネジローと被らないカラーリング設定もまた、手堅い趣向と言えるでしょう。
モンスアーガーの原型は、まさに今、破壊の歩を踏み出さんとする絶妙なポージングが施され、ボディーが重心移動していく瞬間が捉えられていると共に、標的に鋭く狙いをつけた視線を支える首の角度と、五指の各々が破壊の意思を宿すかの如く、全身に通う骨格が感じられてきます。
各所のヒレも劇中のイメージを正確に追いつつ、向きが繊細に調整されており、進撃の意思やボディーラインとの絶妙な同期も見出だせてくるようです。
これらの造形と監修にあたっては細部に至るまで慎重な手数が踏まれていったとのことで、モンスアーガー単体でも、その魅力を再認識させてくれるだけでなく、ぜひともダイナと向き合わせたくなる絶品ではないでしょうか!
劇中イメージに近付けられたライティングで、モンスアーガーの強者度も倍増。ハネジローが教えてくれた頭部の弱点も妖しくアピールです!
加えて今回は、モンスアーガーの完成度を更に感じていただきたく特別趣向として、塗装前の原形画像も紹介していきたいと思います!
リアル塗装されたモンスアーガーを、仮に “怪獣フィギュア” と捉えるなら、グレー1色のモンスアーガーは、いわば “怪獣スタチュー” と言えます。
大怪獣シリーズを精緻な復元模型として楽しむ方々ならば、グレーの単色状態は、立体構成や細密ディティールの確認に大いに参考になるのではと考えました!
いかがでしょうか? 〈 大怪獣シリーズ ULTRA NEW GENERATION 〉モンスアーガーは、2024年5月17日から13時から予約開始!
予約ページはこちら!→https://jp.ric-toy.com/200311p.html
魅力的なラインナップが続々と進行中の〈大怪獣シリーズ〉最新情報に、どうぞご期待ください!
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
☆最後になりましたが、僭越ながら執筆者の自己紹介をさせていただきたく思います。
今回より新たにブログ担当を拝命させていただきました秋廣泰生 (あきひろやすお) です。
特技は古代怪獣ゴメスから妖骸魔獣ゴンギルガンまで (2024年4月現在) 、すべてのウルトラ怪獣/円谷怪獣を並列に捉えていることで、歴史ある壮大な〈大怪獣シリーズ〉を、より多角的に楽しんでいただけるよう、怪獣愛に務めていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。