豊富な付属品で生まれ変わった!ドラコVer.2出現!

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筆者:秋廣泰生
ライター/映像演出家。元・円谷プロ製作部所属。1980年代後半より、ウルトラマンシリーズをはじめ、円谷プロ作品の映像商品の制作や、出版物、CDの構成執筆を手掛ける。VHS時代の再編集ビデオの殆どで編集・演出を担当。テレビ番組演出は『ウルトラマンボーイのウルころ』『ウルトラマン列伝』など。

完全新規造形で生まれ変わったドラコが登場!

 今回紹介するのは〈彗星怪獣ドラコ〉そのVer.2です!

 〈大怪獣シリーズ〉の一環として、ドラコは2006年4月に腕・足・尾・折り畳み式の羽根など、各部が可動するアクション仕様でラインナップされていましたが、今回は現在の基本フォーマットであるディスプレイ仕様。しかも、一部パーツの差し替え式という、既に発表されているキャッチコピーを引用すると「新規造形と豊富な付属品でやってきた!」と謳う、堂々の最新仕様なのです。

 まずは、ドラコが初登場した作品のエピソードから進めていきたいと思います。

 初回放送はなんと!1967年 (昭和42年) 1月1日、元日にして日曜日の夜7時からだったという『ウルトラマン』第25話「怪彗星ツイフオン」にドラコは初登場。日本アルプスを舞台に冷凍怪獣ギガス、そしてどくろ怪獣レッドキング (二代目) と、三つ巴の大激戦を繰り広げます!

 現在でこそ、正月三が日でもコンビニはもとより、初売り・初商いの様々な店が開いていますが、昭和の時代は一斉に正月休みが当たり前。家族や親戚が集まった新年会や、みな連れ立っての初詣に新年旅行等々、誰もが 、のんびりゆったりと正月休みを満喫しているものでした。

 そんな三が日のトップバッターである元日、その夜7時となれば、宴もたけなわであったり揃ってお出かけだったりと、果たしてテレビのチャンネルを『ウルトラマン』に合わせてくれるのか…と、思ってしまいますが、前年7月より『ウルトラQ』から直結して放送を開始した『ウルトラマン』の視聴率は絶好調で、元日だからといって休止する理由は無かったようです。

 そもそも『ウルトラQ』の第1話「ゴメスを倒せ!」は1月2日の放送開始でした。

 当初は正月2日では (前述のような背景から) 視聴率が取れないと考えられ、放送日をずらすべきだという声もあったそうですが、いざ蓋をあけると視聴率は30%超え!この実績が元日放送を後押ししたのは間違いありません。

 しかも「怪彗星ツイフオン」は三大怪獣の登場です。

 「ゴメスを倒せ!」が古代怪獣ゴメスと原始怪鳥リトラの二大怪獣登場でしたから、まさしく大盤振る舞いです。

 もちろんジェットビートルの見せ場も多く、クライマックスはレッドキング (二代目) に新技を繰り出すウルトラマンとの一騎討ちですから、子どもたちにとっては、まさに破格のお年玉か、はたまた初夢怪獣巨編です!

 令和の世の昼下がりにサブスクで観ても盛り上がる「怪彗星ツイフオン」の完成度・充実感ですから、当時リアルタイムで体験した子どもたちの前のめり度は、果たしてどれほどだったのだろうと羨ましく思ってしまいます。

 そんな一方で、『ウルトラマン』のリアルタイム視聴には間に合わなかった筆者も、後追いながらの前のめり度を、ビックリ箱のように追体験出来たのが『ウルトラファイト』でした。

 さぁ、今日はどんな怪獣が出てくるんだろう?と幼少の頃、毎日が楽しみで仕方なかった帯番組の『ウルトラファイト』。そんなある日の放送でメインタイトルから制作クレジットに続いてバーン!と出るサブタイトルは「怪獣三悪決着大会」。そして始まる「怪彗星ツイフオン」から再編集された三大怪獣大激戦!いきなり当たりくじを引き当てたような驚きと興奮は、現在に至るまでも鮮明です!

 ちなみに、三大怪獣にウルトラマンも加わった決着編は「レッドキング零下10度」になります。

(余談ながら筆者が中学生の頃の同級生に、競泳の試合で全国を飛び回り、授業を休むことも少なくないウルトラマン好きがいて、競技の結果よりも遠征先で「怪彗星ツイフオン」の再放送を観た!とか報告されると、天下御免で学校を休んだうえにツイフォンかい!と、羨ましいを超えて妬ましく思ったのは懐かしい思い出です)

 さて、冷静に考えると一度に3体もの怪獣が登場するとなると、物語は、まずツイフォンをめぐる科学特捜隊ならびに動揺する人々の人間ドラマが大前提で、怪獣1体あたりの見せ場の分数はグッと短くなるはずなのに、科特隊の緊張感に満ちた台詞による事実上の前哨や紹介解説が会話の中にシンプルに組み込まれていて期待が高まり、結果、出番が短い印象は全くありません。

 これは脚本や演出の上手さという観点からも、なかなかに舌を巻きます。

 「怪彗星ツイフオン」の脚本を担当した若槻文三さんは、数々のテレビドラマを手掛けてきたベテランです。この頃で既にベテランということは、その数年前から始まった民放テレビ局の黎明期を開拓し、支えてきた脚本家ということでもあります。

 実は若槻さんは『ウルトラQ』の頃から登板の話もあったのですが、この時はかなわず、『ウルトラマン』の元日放送話で初登板とは、若槻さんに敬意を表した、なんとも粋な計らいです。

 若槻さんはこの後『ウルトラセブン』第26話「超兵器R1号」も執筆。宇宙から地球に飛来した羽根を持つ怪獣が大きなポイントとなる点で、登場する再生怪獣ギエロン星獣は、ドラコの発想が飛躍的に発展した系譜とも捉えられるのではないでしょうか?

 今回、ドラコの原型を担当したのは、造型師の酒谷明伸さんです。酒谷さんはエクスプラスのYouTubeチャンネル「帰ってきた大怪獣ラジオ」 に《酒谷さん》として登場していて、これを観ると、酒谷さんの気さくな人柄や造型へ取り組む姿勢、そしてなによりあたたかな “怪獣愛” が伝わってきます。

 そこで改めて〈ドラコVer.2〉についての紹介です。

 実は『ウルトラマン』に登場するドラコは、右手の先に渦巻きのように備えた長い鞭、左手の先に鋭い鎌を持つ怪獣としてデザイン・造形が行われていました。

 この時の姿は映像中には登場せず、商品化用の資料として撮影された前・横・後ろの三面写真、または当時、独占掲載権を取得していた講談社さんが、特撮ステージが設けられていた撮影所〈東京美術センター〉(*後に〈東宝ビルト〉と改称) の屋外で、少年誌・児童誌の掲載用に怪獣らしくポーズをつけて撮影したもののみに残されています。

 いずれの写真も放送終了後に、児童向けミニカードのメーカーへ供給されており、ミニカードの絵柄として、これらを記憶されている方々も多いのではないでしょうか。

 特撮ステージでのドラコは、実際に鞭を巻き取れるギミックがあったという渦巻き状部分が外され、一見すると両手の先が鎌状になっているように見受けられる姿となっています。

 こうした劇中での姿と、写真のみに残る姿とを〈大怪獣シリーズ〉は再現するべく、なんと右腕は選択式!どちらの姿のドラコも再現出来る工夫が凝らされています。

 そして、パッと開いて空中に舞い上がり敵を翻弄する、ドラコの俊敏さの象徴でもある透明な羽根は、開いた状態と閉じた状態が選択式!

 ディスプレイモデルとして受け止めるならば、まさに大きく羽根を開いて敵を威嚇する臨戦体勢の再現であり、閉じた羽根なら、まさに格闘中の激戦体勢の再現と、イマジネーション豊かにドラコを感じることが出来ます。

 そして、酒谷さん造形の特徴のひとつと言っていいでしょう、前方に踏み出した左足と、今にも横から繰り出そうと構えた右腕からくる、内部骨格の一瞬の動きを捉えたポージング!

 これらは好戦的なドラコの性格を見事に表しつつ、講談社さんの写真の1枚をそのまま抜き出させたように再現している?と思わせて痛快です。まさに落語家・柳家喬太郎師匠のウルトラマン落語「抜けガヴァドン」ならぬ「抜けドラコ」と言うべき臨場感を湛えています!

 そして、全身を包む表皮パターンは更なる研究と考証が重ねられた質感が再現されており、この点は、ぜひとも実物を手に取って実感してもらいたい重要なポイントになっています。

 かくも多様な魅力が一身に凝縮された〈ドラコ Ver.2〉の到来は間近です!どうぞご期待ください!

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