ジャックとレオと対峙した”二面怪獣”アシュラン登場!

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今回紹介する最新作〈大怪獣シリーズ〉は、『ウルトラマンレオ』第34話「ウルトラ兄弟 永遠の誓い」に登場した二面凶悪怪獣アシュランです。

 アシュランが初登場した昭和49年 (1974年) 当時、小学一年生だった筆者には、この強敵怪獣の出現は大きなトピックスでした!

 前週に放送された予告編映像から、新怪獣とウルトラ兄弟が対峙するであろう展開に期待せずにはいられません。そこには帰ってきたウルトラマン=ウルトラマンジャックもいて、しかも郷秀樹も登場する!

 果たして翌週のオンエアでは、サブタイトルの字面や語感にもグッと心を掴まれ、緊迫感に満ちたドラマの充足感についてもまた、言うまでもありません。

 アシュランは、ヒューマノイドタイプと言うべき、人間同様の四肢や頭部の外形を持った怪獣の一種で、最大の特徴は、一見、赤い体色の全身像が前面のように見えて、実は青い体色で同じ顔と姿形を持った後面もまた、前面であるという、まさしく “二面怪獣” です。

 赤面・青面とも強力な打撃力や格闘能力を発揮するのはもちろん、双方の口から同時に高熱火炎を噴射して破壊や攻撃を行うなど、事実上、常に360度に近い視界の戦闘範囲を確保していると考えられます。

(全方位をフォロー出来るという観点からは、隙を持たない、ある種の神秘性を湛えた怪獣との受けとめも可能でしょうか)

 こうした独自の両面性の特徴からクライマックスでは、それぞれの面にレオとジャックが相対していく戦いが繰り広げられ、最後は郷の発案による月蝕を利用した挟撃の名勝負へと展開していきます。

 仮に逆算してみるならば…アシュラン対レオ&ジャックの殺陣を、効果的かつ独自の面白さで見せるために導き出された二面怪獣という設定…とも言えそうですが、更にここには、もうひとつのアシュラン創作の条件があったようにも思います。

 実は前回の第33話は「レオ兄弟対宇宙悪霊星人」でした。つまり、企画の段階では登場するアクマニヤ星人とレオ・アストラの兄弟が挟撃する可能性が有り得たとも、考えられる訳ですが、そうであるならば、やはり挟撃が有り得るアシュランは、アクマニヤ星人と差別化した特性を持たせた演出プランを考えておく必要があるのではないか──という想像がはたらいてきます。

 こうした制作上の流れからアシュランの独自性が導き出されてきたのかもしれないと想像してみると、ドラマが求めてくる怪獣の創造過程として、実に興味深いものがあります。

 こうしたアシュランの特異性を手に取って実感出来るのが、まさに〈大怪獣シリーズ〉の持ち味です。和風テイストの朱を感じる面を進撃方向に想定したポージングの中に、左右の五指は両面性を持たせて造形されており、このため青面からは、自らの威容を見せつけるかの様に胸を反らす、ふてぶてしさが感じられてくる様です。

 〈大怪獣シリーズ〉を愛する方々の中でもパッケージからの開封派は、自分の手に取ってあらゆる方向から眺め、お気に入りのアングルを見つけ出していく楽しみがあると思うのですが、このアシュランからは、自前のターンテーブルに乗せて回転する全身像を、劇中での臨場感そのもののベストアングルとして捉えていく楽しみ方も加わりそうです。 

 また、アシュランと言えば “レッドキングと鳴き声が同じ” という印象があろうかと思います。

 これは正確には、どくろ怪獣レッドキング (『ウルトラマン』第8話「怪獣無法地帯」にて初登場) の性格や劇中の傍若無人さを受けて制作された咆哮音がライブラリー化され、後に登場してきたアシュランについて、レッドキングと共通するキャラクター性が見出だされたことから、繊細なピッチ調整を経て転用が行われたものでした。

 先のターンテーブルでのディスプレイの際には、ぜひこの咆哮音も独自に加えていただければ (あるいは咆哮音を脳内再生していただければ) 、アシュランの創作背景やウルトラ怪獣の歴史の一端を感じ取れて、より複合的に楽しむことが出来ると思うのです。

 なお、こうした両面的な特徴は後に、同じく赤系・青系の両面体躯を持った円盤生物ブリザードが現れましたが (第45話「恐怖の円盤生物シリーズ! まぼろしの少女」)、それまではアシュランが唯一のものでした。

 そして、アシュランの性格は別名の中に記されている通りの凶悪さで、顔面は双方ともに、悪辣さをみなぎらせた怒れる形相です。

 狙う相手が帰ってきたウルトラマン=ウルトラマンジャックひとりであれば容赦なく奇襲を仕掛けてきましたが、眼下の郷秀樹、モロボシ・ダン、おおとりゲンにウルトラマンジャック、ウルトラセブン、ウルトラマンレオの姿を見てとると、瞬時に戦力差を見極めて一目散に撤退します。

 ですが、そんな一方で3体のウルトラマンが現れないとみるや、瑳川哲朗さんによる劇中ナレーションにある図々しさを発揮して傍若無人に猛威を振るい、防衛線をものともせずにMACの東京支部に迫るという、非常に厄介な戦略家でもあります。

 アシュランの形相ならびにヒューマノイドタイプならではの顔の造作についての個人的な思いとして、怒りを表現した能面の固定された表情が想起されてきて、自身の状況が優勢・劣勢と変化しても表情は変化しない点で、アシュランの心の奥底が常に怒りの沸点にあって、最上級の排他的意識の発露にあると感じられてきてなりません。

 つまりはそこに、アシュランと呼ばれる怪獣を凶悪で、戦闘的で破壊的な存在の象徴として創造するために投入された、特撮スタッフの意匠が込められているのではないか…と!

 続いてアシュランの全身像を見ていくと、頭部に両面の境目の様に並んだ鋭い突起群は、アシュランが非常に危険な存在であることの象徴と言えます。

 加えて、逆立つ頭髪に見立てれば怒髪天の如くの激しい感情が伝わってくる様です。

 また、両面に相似して体表のあちこちに配置された、丸みを帯び、先端が軽く上方を向く大小の突起群は、内面から噴き出す破壊衝動の炎か、はたまた激しい邪気のオーラかという…平和的な感情とは相容れない何かの力の抽象化を感じずにはいられません。

 しかも、脇腹にあたる左右の側面を含む体表からのこれら突起群は、それぞれの前方ではなく、全て横方向に伸びているのは、ウルトラ怪獣の特殊美術として、見逃せないポイントです。

 ひときわ強敵のウルトラ怪獣を造形する際の考え方のひとつに、“ウルトラマンより大きくする” という視点があります。

 それは身長のことであったり全身の量感のことであったりして、逆の見方をすれば、“ウルトラマンより小さく見える怪獣は強さを感じさせにくい” と言えます。

 こうした強敵創造術の最も分かりやすい例で言えば『ウルトラマンA』第3話「燃えろ!超獣地獄」に登場し、ウルトラマンAを上回る身長・量感を共に備えた一角超獣バキシムが挙げられるでしょう。

 アシュランの場合は、ヒューマノイドタイプの怪獣ということもあり、全身がレオやジャックよりも隆々としていますが、身長については、ほぼ同等です。

 その条件で “ウルトラマンをも脅かす強さの持ち主“ であることを印象付ける表現として、頭部と体表の突起群は実に有効です。

 体表の突起群は横幅の強調に繋がり、言わば、立ちはだかる壁を想起させてきます。この点は、劇中で進撃するアシュランが両腕を大の字を思わせるかの様に横に伸ばしていることで、障壁感がより強調されています。

 しかもこの様相は、MACの隊員たちが迎撃の際、この横幅が人間である隊員たちの視野を圧倒的に埋め、見上げた状態で脅威の感情に訴える演出プランとしても有効です。

 かくして、面相・容姿・演技、更には咆哮音が同期する形で演出されていった強敵ウルトラ怪獣を〈大怪獣シリーズ〉のフォーマットで再構築したアシュランを手に取ることで、物語の企画や脚本が求めるドラマにしたがって最適解のウルトラ怪獣を創造していくスタッフの探究心、そして表現力を追体験出来ると、筆者は感じずにはいられません!

 そして!〈大怪獣シリーズ〉アシュランには、スペシャルな特典が同梱されます。

 ウルトラマンジャックが、ウルトラセブンへの変身能力を失ってしまったモロボシ・ダンのもとへ届けた「怪獣ボール」です!

 「怪獣ボール」からは、ウルトラ警備隊員時代のモロボシ・ダンが、何かの事情でウルトラセブンに変身出来ない時、自分に代わって活躍させる「カプセル怪獣」のウインダム、ミクラス、アギラ同様に、セブンガーが出現!

 活動時間が1分間と限られつつも、アシュランに対して目覚ましい善戦を繰り広げたのでした。

 新アイテム「怪獣ボール」の登場には、『ウルトラマンレオ』の視聴者からの声も役立てられていたといいます。これはまさに “ダンが変身出来ない時のカプセル怪獣” という図式を発展させた形です。

 そんなプロセスを経て生み出された「怪獣ボール」を、劇中で郷やダンが手にしていたリアルスケールでの立体化です!

 もしかしたら同梱されてしまったアシュラン当人は、眼と鼻の先にパッケージングされた「怪獣ボール」に、気が気ではないかも?しれませんが、気が気でないのは、きっと皆さん方も同じでしょう。

 このサイズと質感での「怪獣ボール」の立体化・商品化は、ガレージキットなどを除けば初と言っていい快挙なのですから、当然『ウルトラマンレオ』リアルタイム世代の筆者も気が気でありません!

 以前に筆者は〈大怪獣シリーズ〉のブラックドームとのお出かけ撮影を提案させていただきましたが、その第2弾として!ぜひとも「怪獣ボール」を手に屋外でダンになりきり、郷になりきる〈大怪獣シリーズ〉のアウトドアライフをアシュランと共に、存分に楽しんでいただけたらと、願わずにはいられません。

(なお、その際には劇中のアシュランにも、巨大感を表現するため、屋外で撮影されたカットが存在していることもお忘れなく!)

 アシュランと「怪獣ボール」をセットにした夢の様な宝箱でお届けする〈大怪獣シリーズ〉最新作に、どうぞご期待ください!

商品ページはこちら‼→https://jp.ric-toy.com/200492r.html

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