ウルトラマンレオ | 路地裏の散歩者 少年リック公式ブログ Thu, 12 Dec 2024 09:35:10 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.7.2 /wp-content/uploads/2024/05/cropped-faviconV2-32x32.png ウルトラマンレオ | 路地裏の散歩者 32 32 円盤生物第2号!ブラックドーム登場! /200371r/ Tue, 08 Oct 2024 09:59:09 +0000 /?p=235 筆者:秋廣泰生
ライター/映像演出家。元・円谷プロ製作部所属。1980年代後半より、ウルトラマンシリーズをはじめ、円谷プロ作品の映像商品の制作や、出版物、CDの構成執筆を手掛ける。VHS時代の再編集ビデオの殆どで編集・演出を担当。テレビ番組演出は『ウルトラマンボーイのウルころ』『ウルトラマン列伝』など。

恐怖の円盤生物第2号が大怪獣シリーズに登場!

 着々とラインナップを増やしつつある『ウルトラマンレオ』に登場した怪獣・宇宙人の〈大怪獣シリーズ〉化。ここにまた新たな1体として、恐怖の円盤生物が加わることになりました!

 『レオ』の最終回を盛り立てた強敵であり、2020年5月に〈大怪獣シリーズ〉として発売された円盤生物ブラックエンドに続くのは、ブラックスターの地球侵略円盤生物の第2号、ブラックドームです!

 ブラックドームが猛威を振るうのは第41話「恐怖の円盤生物シリーズ! 悪魔の惑星から円盤生物が来た!」でした。
 このエピソードでは、空飛ぶ円盤大好き少年がゲスト主役として登場します。

 世界の各地で撮影された円盤の写真を集めたファイルが垣間見えたり、天体望遠鏡を空に向けて円盤を探したり、遂には正体がブラックドームとは知らず、眼前に迫ってきた円盤を鏡に反射させた光で呼び寄せようとします。

 こうした描写は『レオ』の放送が開始された昭和49年 (1974年) 当時、児童誌で[空飛ぶ円盤]や[宇宙人]の目撃情報、円盤や宇宙人らしき物体を捉えた写真記事や遭遇体験が特集され、それらの社会情勢がフィードバックされたものと、小学校1年生での『レオ』リアルタイム視聴者の筆者は受けとめています。

 それは恐らく「恐怖の円盤生物シリーズ!」成立の根幹でもあったのでしょうし、筆者の記憶の中にある記事も、当時流の児童向けノンフィクションとして、迫真性に溢れていたと振り返っているところです。

 と同時に『レオ』での星人や宇宙怪獣到来率の高さ、星人出自の天体が様々な事情と共に語られたりするのも、そうした記事がヒントになっているのではと感じるところがあります。

 また『レオ』と同時期に放送されていた円谷プロ作品『SFドラマ 猿の軍団』にも[空飛ぶ円盤]が、地球の情勢に関わる存在として出没していましたから、当時の[空飛ぶ円盤]への関心度の高さがうかがえます。

 続いては〈大怪獣シリーズ〉に到来するブラックドームに注目してみたいと思います。
 今回、大怪獣シリーズ「ブラックドーム」の造形を手掛けたのは原型師 増川信二さんです。

 増川さんは特撮系のキャラクターはもちろん、アニメなどの2次元キャラクターも極めて写実的に造形する、見事な手腕で知られています。

 そうした中で筆者は、増川さんの造形テクニックについて、実に不思議に感じているポイントがあります。
 それは例えば造形対象が架空の存在だったとしても、実在の生物の様な  “潤い” 度数の高さ、あるいは低さを宿らせている様に感じられるところなのです。

 そのテクニックの謎と秘密は何なのか、筆者の付け焼き刃の知識では解明出来ませんが、その表現力はブラックドームにも着実に活きていると感じられてきます。

 ウルトラマンシリーズの特撮ステージは、たくさんの照明機材が発する熱や、種々の特殊効果で発生する大量の埃などで非常に乾燥しがちなのですが、それらが影響しているのかどうか、時折、“乾燥肌” を思わせる怪獣がみられることがあります。
 個人的にブラックドームも、そうした “乾燥肌” の1体と感じていましたから、増川さんという人選は、まさしく適材適所。ブラックドームにうってつけ!と小躍りしてしまいました。

 なお『ウルトラマンT (タロウ) 』に登場した宇宙大怪獣べムスター (改造) にも、個人的に “乾燥肌” 感を抱いているのですが、実は〈大怪獣シリーズ〉のべムスター (改造) も、増川さんの造形であったと知り、その表現力に大納得です。

 もちろん〈大怪獣シリーズ〉は高度な塗装技術が持ち味です。塗装によるウェット感・ドライ感表現がありますが、増川さんの手掛けた怪獣は素地からして、皮膚表現の謎と秘密が隠されている気がするのです。

 そして言うまでも無く、ブラックドームの写実的表現は、映像や写真からそのまま抜け出てきたかの様で、こうして画像で見て感嘆するだけでなく、手に取ってみた時、実物標本の縮小レプリカの如くの感覚を味わえるのではないでしょうか。

 思うに近年、カプセルトイやプラモデルなどで昆虫や甲殻類など節足動物のリアルフィギュア化がひっきりなしですが、ブラックドームも外見的に宇宙的節足動物の一種でしょうから、リアル造形とは本来的に相性がいいのかもしれません。

 さて!ブラックドームの〈大怪獣シリーズ〉ラインナップ化と聞いて、真っ先に思ったのが「これは推し活に使える!」ということでした。

 恐らく〈大怪獣シリーズ〉の楽しみ方としては、お部屋でのディスプレイが主流ではと思うのですが、ここで新たに提案したいのが、ブラックドームを連れてのお出かけです!

 昭和40年代後半から『レオ』放送の頃にかけての特撮テレビ番組を知る方々なら、第41話の劇中で円盤探しをしていた廃墟は、様々な作品でロケ地に重宝されていた、通称[おばけマンション]と呼ばれていた所だと、すぐに気付いたことでしょう。

 撮影から既に50年を経過しようという現在、この廃墟は跡形も無く存在しませんが、劇中から様々に読み取れたり想像される位置関係によって、ブラックドームが飛来してきた方向が推測出来ますから「恐らくこの辺りの空で本性を現した?」と想像力をはたらかせながら、空をバックにブラックドームを撮影してはいかがでしょう?

 〈大怪獣シリーズ〉化されたブラックドームは、間違いなく推し活バッグにフィットしたサイズ感で、一緒のお出かけにも最適です!

 また、より高度な推し活を求める方は…実は特撮パートに登場する城南大学の複数の校舎として、第21話「見よ!ウルトラ怪奇シリーズ 北の果てに女神を見た!」で、札幌の時計台をモデルにした建造物のミニチュアが再び使われていましたから、イマジネーションを更に更に増幅させて、札幌でのブラックドーム撮影に臨んではいかがでしょう?(笑)。

 お手元にブラックドームが届くまでの時間は、撮影プランを練るための時間でもあると考えれば、楽しみも倍増です!
 それでは〈大怪獣シリーズ〉ブラックドームの襲来に、ぜひ手鏡を磨き上げてお待ちください!

予約ページはこちら!→https://jp.ric-toy.com/200371r.html

]]>
宇宙拳法の達人・ウルトラマンレオがギガンティックシリーズに登場! /200327r/ Tue, 13 Aug 2024 06:51:06 +0000 /?p=179 筆者:秋廣泰生
ライター/映像演出家。元・円谷プロ製作部所属。1980年代後半より、ウルトラマンシリーズをはじめ、円谷プロ作品の映像商品の制作や、出版物、CDの構成執筆を手掛ける。VHS時代の再編集ビデオの殆どで編集・演出を担当。テレビ番組演出は『ウルトラマンボーイのウルころ』『ウルトラマン列伝』など。


全高約49cmのビッグサイズでウルトラマンレオが登場!

今回は〈ギガンティックシリーズ〉から最新作、ウルトラマンレオの紹介です。

 ”ギガンティック“ というワードに象徴される様に、このシリーズは〈大怪獣シリーズ〉をググッと超越する迫力の全高が特徴です。

 仮に〈大怪獣シリーズ〉を「エクスプラスの怪獣シリーズ」のスタンダードサイズとするならば〈ギガンティックシリーズ〉は、まさしくジャイアントサイズ。

 我らのウルトラマンたちは、身長40メートル超の巨大ヒーローですから、そんなウルトラマンたちの巨大感に迫れる魅力こそ〈ギガンティックシリーズ〉最大のポイント。その手に取っていただければ、巨大なヒーローと向き合える疑似体験的な存在感と充実度が心に伝わってくるのは間違い無いでしょう。

そして、ここに紹介する全高約49cmの《ウルトラマンレオ》を造形した原型師こそ、昭和特撮作品のヒーロー、怪獣、宇宙人のリアリティ溢れる再限度で大きな注目を集めている、セキケンジさんです。

 セキさんはエクスプラス〈大怪獣シリーズ〉でも数多くの昭和ウルトラマンたちを造形しており、個人的には〈大怪獣シリーズ〉における昭和円谷ヒーローのイメージリーダーではないかと考えています。

 また、セキさんは様々なフィギュアメーカーを舞台に、昭和特撮のフィギュア化で活躍しており、実は原型師がノンクレジットのままで、あなたの机の上にもセキさん入魂造形のフィギュアが並んでいるかも?しれません。

 セキさんは日本のガレージキット黎明期である1980年代前半には『帰ってきたウルトラマン』の主人公ウルトラマンジャックを自作。写実性の高さだけでなく、生命感ある造形力は現在の目で見ても驚くべきものがあります。

 ある意味では幼少期からの特撮愛に始まった、数十年に及ぶ昭和ウルトラマンたちへの観察眼が〈大怪獣シリーズ〉、そして何より〈ギガンティックシリーズ〉に昇華されているのは間違いの無いところです。

 さて!改めて〈ギガンティックシリーズ〉ウルトラマンレオです。

 〈大怪獣シリーズ〉のウルトラマンたちの場合は、映像作品の劇中で見せた、アクティブで特徴ある動きの一瞬や、そうした撮影の合間にシャッターが切られた印象的な場面写真などをイメージソースとして重視し、固定したポーズの中に躍動感あるリアリティを追究した再構築が図られている訳ですが、一方の〈ギガンティックシリーズ〉の基本的なコンセプトは、直立姿勢として統一されています。

 これを言い換えるとするなら、怪獣が猛威を振るう緊急事態に、すぐさま腰を落として相手を見据えたり、両手を構え、両足を前後または左右に踏み出すなどの臨戦態勢を表現したものが〈大怪獣シリーズ〉で、ウルトラマンたち個々のパーソナリティーを、共通した直立姿勢の枠組みの中で描き分けていくのが〈ギガンティックシリーズ〉だと思うのです。

 そこで発揮されるのが、セキさんならではの心身への観察眼と、これを形成する造形術です。

 ウルトラマンたちの姿や立ち振る舞いはもとより、その精神性を探り、手繰り寄せて解釈しフィギュア化するという行為には、古来、私たち人間そのものへ向けられた彫像美への追究が重なります。

 それは写実的なリアリティ表現とは異なるニュアンスを含みますから、造形デッサン以上に、精神性を表現出来る造形を目指した、言わば心のデッサンというべきものに回答を見せるのが、セキさんの造形師としての大きな魅力ではないでしょうか。

 特にウルトラマンレオは、地球で言う空手に相当する宇宙拳法の使い手ですから、直立姿勢の中に鍛え抜かれた全身像が反映されるのは当然のこと、一途に愛する者を守り抜き、平穏に過ごす事を踏みにじられた者に成り代わり、体を張って全力で戦い抜くという、孤高の精神性が反映されなければなりません。

 この辺りは、これまで世に送り出されてきた〈ギガンティックシリーズ〉のウルトラマンたちと並べることで、セキさんのアプローチの違いが明確に感じられてくると思うのです。

 そしてもうひとつ、ウルトラマンレオの造形にとって見逃してはならないのが、頭部ならびに顔の表現です。

 ファンの間で、よく話題になるのが “ウルトラマンレオの顔は、おおとりゲンの顔に似ている” ──すなわち、おおとりゲンを演じた真夏竜さんの顔に似ている、というものです。

 これについて筆者の類推ですが、かつて『ミラーマン』の主人公・鏡京太郎役に石田信之さんが決まった時、ミラーマンのスーツの頭部原型を修整し、“同一人物” である鏡京太郎=石田さんの面相に寄せたとも言われているので、もしかしたらウルトラマンレオの場合にも、同様な場面があったのかもしれません。

 というのも、これもまた筆者の主観ですが、後にNGとなる、全身に光の国のウルトラマンたちの様な銀色のラインが入った、ウルトラマンレオの一番最初のスーツの顔は、真夏さんの顔に似ていない気がするのです──。

 そんな筆者の仮説の真偽はともかくとして「真夏さんの顔とウルトラマンレオの顔は似ている」という声があるのならば、これも純粋な造形上のテーマとして採り入れ、1本のヘラで回答を形成し、完成形の中に更なる深みを持たせていく──ここにも、セキさんの造形が多くの方々を惹き付ける理由があるのではないかと感じています。

 また〈ギガンティックシリーズ〉には、そうした情報を織り込めるサイズ感があるとも言えますから──いえ、セキさんのウルトラマン愛を描けるフィールドが確保されているとも言えますから、そうした意味合いからも〈ギガンティックシリーズ〉としてのウルトラマンレオは、これまでのラインナップから一歩踏み出した熱意と完成度を誇っている──というのが、筆者の脳内を駆け巡った第一印象でした。

 万感の思いが全身に託された〈ギガンティックシリーズ〉最新作・我らのウルトラマンレオ!登場です!

予約ページはこちら!→https://jp.ric-toy.com/200327r.html

]]>