大怪獣シリーズ | 路地裏の散歩者 少年リック公式ブログ Fri, 11 Apr 2025 07:11:32 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.7.2 /wp-content/uploads/2024/05/cropped-faviconV2-32x32.png 大怪獣シリーズ | 路地裏の散歩者 32 32 大怪獣シリーズ グランドキング 激闘カラーVer.の発光仕様変更に関して /200384r-2/ Thu, 10 Apr 2025 07:22:06 +0000 /?p=299 みなさんこんにちは!
エクスプラス スタッフのナナシCです!

今回は先日受注終了した大怪獣シリーズ グランドキング 激闘カラーVer.の発光仕様について、アップデートがございましたのでお知らせさせていただきます!


早速仕様変更箇所についてご紹介いたします!

受注時点では下記の発光イメージ画像で受注を行っておりましたが…

工場側との調整を重ね…

動画内の発光仕様へアップデートすることが決まりました!!!

いかがでしょう?
胸部発光はより劇中のイメージに近づけることが出来たのではないでしょうか…?

こちらの発光仕様については、本企画が立ち上がった当初から実現したいと思っていた要素になります。

再販アンケートにて2位を取ったグランドキング。
過去2回の販売で劇中イメージカラーとシルバーカラーの販売を行っており、通算3回目となる今回はどのような差別化を行おうと考えていた中でこのアイデアが挙がりました。
過去の発光仕様は胴体中央部分の5か所にLEDが配置されており、電源を入れると常時点灯するというものでしたので、今回は劇中に近づけるため小さな複数のLEDがリレー発光するよう変更いたしました。

受注開始のタイミングでは、本当にこの仕様で進行できるのかテストが十分ではなかったため、このタイミングでの発表となりました。
今後も仕様のアップデートがあった際はこのような形でご報告させていただきます。

最後に…
アンケートへのご投票、ご注文頂いたお客様、誠にありがとうございます!
より良い商品をお届けできるようスタッフ一同尽力してまいりますので、商品の到着を今しばらくお待ちくださいませ。

それでは!!!

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赤い靴はいてた… 悲しき尖兵 メモール登場!! /200417r/ Thu, 27 Mar 2025 07:09:21 +0000 /?p=283 筆者:秋廣泰生
ライター/映像演出家。元・円谷プロ製作部所属。1980年代後半より、ウルトラマンシリーズをはじめ、円谷プロ作品の映像商品の制作や、出版物、CDの構成執筆を手掛ける。VHS時代の再編集ビデオの殆どで編集・演出を担当。テレビ番組演出は『ウルトラマンボーイのウルころ』『ウルトラマン列伝』など。

あの赤いブーツのような形状も忠実に再現、うろこ怪獣メモール登場!!

 長大な尻尾を自在に操って一撃のもとにビルを貫き、勢いつけて振り回せば工場施設も爆砕!
 口からは高熱火炎を噴射して石油タンク群も次々誘爆!
 ひときわ長い三指を持った右手で建造物を叩き壊し、その掌にある円形の噴射口から赤い煙幕を吹き出し、相手の視界を遮った隙に姿を眩ます!
 強固なボディはZAT機の集中砲火にも全く怯まない!
 かくて出番のシーンは連続約7分間にも及びました!
 “『ウルトラマンT(タロウ) 』に登場した怪獣を新たに〈大怪獣シリーズ〉に加えたい!” というスタッフの思いに白羽の矢が立てられたのが、かくも衝撃的な破壊の難敵である《うろこ怪獣メモール》なのです!

 メモールは『ウルトラマンT(タロウ) 』第45話「日本の童謡から 赤い靴はいてた…」に登場しました。

 宇宙科学警備隊ZATの北島哲也隊員には、幼な心にも互いに慕情を抱いていたであろう少女・山川真理と一緒に遊んでいた時、不意に現れた謎の男に真理が連れ去られていってしまうという、幼き少年にとってはあまりのことに手の下しようも無かった、悲しい別れの思い出があったのです。

 真理を連れ去った男の正体は凶悪宇宙人ドルズ星人でした。ドルズ星人は真理を怪獣メモールに改造し、ZAT壊滅の尖兵として別れからの実年令を経た女性の姿で北島隊員の元へ送り込みます。
 彼女の身体にはタイムスイッチで怪獣の姿に変貌する機能が仕掛けられていました。
 ドルズ星人の指令に従い行動しつつも、まだ人間の心を残していた彼女は、北島隊員に自分が人間であるうちに撃って欲しいと懇願します…。
 果たして、その時が訪れた彼女は、全身の到るところからうろこが現れはじめるや煙を吹き上げ、人間としての姿が爆発すると、瞬時に巨大な怪獣と化してしまうのでした…。

 冒頭で記したように、怪獣としての猛威を振るう特撮の見せ場がスピーディーなカット割りで凝縮されていったメモールですが、その存在背景には、北島隊員と幼馴染みの真理との、ひと口には言い表せないドラマがありました。
 また、二人を巡るZATの隊員たちの葛藤や優しさが、様々な形の喜怒哀楽を伴って描かれていくという…かくもメモールは、過酷なドラマの渦中に強烈な印象を刻みつけていきました。

 本作の監督は、かつて東宝系列の映画製作会社として、1950年代から幾多の劇場用作品を送り出してきた〔東京映画〕で、メロドラマや喜劇映画、青春映画など多岐に渡って腕をふるってきた筧正典さんでした。
 筆者が調べてみたところによると、スクリーン上にその名をよく見掛ける、主戦級の監督として活躍されていたとのことです。
 このため逆に…と言うべきでしょうか、後に筧監督がウルトラマンシリーズを演出していたことを知って驚いたという声を聞いたこともありました。

 筧監督のウルトラマンシリーズへの登板は『帰ってきたウルトラマン』第3話・第4話からで、これは第1話・第2話を本多猪四郎監督が演出していたのと同様に『帰ってきたウルトラマン』が東宝系列の名実共に評価の高い監督による、人間ドラマを重視した番組としてスタートを切ったという、対外的アピールへも繋がるものでした。

 再開したウルトラマンシリーズと筧監督とは水が合い、老若男女も宇宙人も問わず、人と人とが織り成す繊細な機微を描いた名編が、数多く生み出されていきました。

 本作は、そんな筧監督の功績の中でも指折りの1本と言えるでしょうし、更に『路地裏の散歩者』として特筆すべきは! このドラマに心を揺さぶられたエクスプラスの若き社員さんの情熱こそが、数ある『ウルトラマンT (タロウ)』怪獣の中で、メモールが〈大怪獣シリーズ〉に加わる原動力になったという事実です!

 だとすれば、フィギュアとしてのメモールは、まさしく「赤い靴はいてた…」鑑賞記念のメモリアルアイテム。
 作品を象徴する “かたち” を間近で眼にしたり手で触れることは、鑑賞時の記憶を呼び覚ましたり、自分の中で作品への思いを巡らせたり、時には同じく鑑賞した方との交流を導く、重要な触媒となっていくことでしょう。

 かく言う筆者にも『ウルトラマンT (タロウ)』を幼稚園時代に親しんだドンピシャ世代のひとりとして、ぜひとも! より深くメモールを愛していただけたらという思いがあります。
 ここからは、映画製作現場的な目線から、筆者なりにメモールに迫っていきたいと思います。

 本作のサブタイトルに先行する《日本の童謡から》を冠にした括りは『ウルトラマンT (タロウ)』のテレビシリーズが長期間放送されていく流れにあって、視聴者に “何かこれまでと違った趣向が展開されるようだ” と、ひと目で分かるアクセントになっています。
 それは新聞のテレビ番組欄や雑誌記事など、印刷物での告知で有効に作用していく、よくある番組宣伝ギミックだと受け止めるのも正解でしょう。

 ですが、実際の映像では、オープニング開幕直後、主題歌のイントロを伴い単独で〈日本の童謡から〉と、実に主体性を以て表示されるという大胆な演出が行われており、単なる冠ではないことが、まず一番最初に示されるのです!

 『ウルトラマンT (タロウ)』第45話から第48話の4週間に渡って展開された《日本の童謡から》の4編は、童謡歌唱やそのメロディが適宜劇中に挿入され、それによる聴感上の新鮮さが、これまでとは一風異なる味わいをもたらしていきました。

 その効用については各話色とりどりですが、こと第45話について大胆に発言してしまうと、メモールは「赤い靴」という “イメージソングを持つことになった怪獣” と位置付けられるのです。

 これにより、北島隊員も口ずさむ挿入歌としての「赤い靴」は、北島隊員の心情に寄り添いながらクライマックスまで、ドラマ全体を覆い尽くしていくのですが…一方では、この童謡が劇中での役目を終えた直後、静寂の宇宙空間での誰も知らないメモールの道行きを、瑳川哲朗さんのナレーションが浮き立たせる効用を生んでいくことになります。

 ここには『ウルトラマンT(タロウ)』第26話で脚本家デビューした阿井文瓶さんの作劇が語り掛けた “誰も知らない” メモールの道行きであったとしても、矢島信男特撮監督は、どこかに消えていくように小さくなっていくメモールではなく、ただひとり宇宙を前進していく姿でメモールを捉えています。
 それは、たとえ物語全体が悲劇に包まれていたとしても、命は続いていく “希望” の暗示でもあり、なんとも秀逸です。

 こうした独特の人生観を湛えた作劇は『ウルトラマンT (タロウ)』の人間ドラマが打ち出してきた特徴でもあった訳ですが…メモールは出番のラストに最も重要なものを体現していったのだとすれば、メモールは戦力に依らない、真の強さを持った怪獣へと生まれ変わっていった、ということになるのかもしれません。

 それは、“赤い靴を履いていた女の子” との、あらゆる意味での訣別でもあるでしょうか。

 そこでここから、再度メモールを武力の権化として振り返ってみると…更に興味深いものが浮かび上がってくるように思います。

 『ウルトラマンT(タロウ)』最終第4クールでの登場怪獣たちは、人間ドラマの中へ密接に係わっていく傾向が強くなっていきました。
 ここには「生きる厳しさと哀しさを鮮烈に謳う」と台本の表紙に掲げられた次回作『ウルトラマンレオ』が目指すドラマとのコンセプトとの違いを明瞭にするべく、改めて『ウルトラマンT(タロウ)』らしい物語が積極的に描かれていったものと捉えられるのですが、だとすれば、メモールは事実上、徹底した大暴れが見せ場となる最後の怪獣として登場してきたのではなかったか…といった感覚も湧いてきます。

 これはあくまで筆者の視線ですが、メモールの全体像シルエットは、第40話に登場した暴君怪獣タイラントを彷彿とさせてくるものがあります。
 強敵怪獣の象徴でもある無数の角(突起)が、体をより大きく見せながら、両足を広げ踏ん張るように構えて立ち、そこへ両腕を広げれば、全身が “大の字” を描く安定感が生まれ、これらが装甲板の如くに鱗が並んだ腹部で、ZATの攻撃を受けて立つシーンに結実しています。
 しかも “大の字” を平面的に終わらせない、背後の跳ね上がる長大な尻尾が加わることによって、怪獣としての奥行きが実感される様になる~だからこそ逆説的に! タロウ登場からのスワローキックの一撃で安定体勢を崩され、足がもつれて後退、勢い余って転倒してしまう怪獣的ダイナミズムが効果的に表現される! ~という、まさしくメモールは、フィギュア化の価値絶大の怪獣なのです!

 そして何とも心憎いのが、様々な方向への回転を多用した矢島監督の格闘演出です。
 恐らくは舞踊演出の応用でしょうか、メモールの全貌をスローモーション効果も交えて余すところ無く見せまくりで、そのボリューム感はタロウよりも強そうに感じさせるからこそ、果敢に反撃していくタロウの底力とがぶつかり合う迫力の見せ所となっていったのです…!
 こうして眼に焼き付けられていく外見的な特徴も、フィギュアとして実際に手に取ってみたくなる、メモールならではのポイントです。

 そして更に更に! また別の角度からメモールを捉えてみると、実に興味津々な状況も感じられてきます。

 北島隊員の自宅に現れ、やがて怪獣に変貌する真理を演じたのは夏川圭さん。
 実は『ウルトラマンA(エース)』第11話「超獣は10人の女?」にも出演し、くノ一超獣ユニタングに合体変身するサイクリング女子大生のひとりでもありました!

 そして、メモールはじめユニタングもタイラントも、美術デザイナー・鈴木儀雄さんの手になるものであった事も重要なポイントです。

 メモールとユニタングからは、近似した設定背景ながら、コンセプトが違えば求められる姿形が大きく変わってくることを。そしてメモールとタイラントからは、この当時のウルトラマンシリーズが見定め、開拓していった “強さを誇る怪獣像” が再確認出来ることを〈大怪獣シリーズ〉で並び立たせることで、美術史的に感じることが可能ではないかと思うのです。

 今回、メモールの造形を担ったのは、このブログでも円盤生物ブラックドームの原型師として紹介させていただいた増川信二さんです。
 増川さんの持つ立体的感性はブラックドームと同様、メモールの実像を純度の高い写実性で構築しており、筆者には、メモールを立体から様々に研究していく上での、基本中の基本というべき完成度であると、強く感じています。

 改めて…メモールの〈大怪獣シリーズ〉ラインナップ化には『ウルトラマンT (タロウ)』の登場怪獣として、映像に刻まれた存在感や生命力だけでなく、映画美術に於ける特殊造形が生み出す表現力の可能性を再確認していく上でも最適の怪獣だったと、ますます確信を深めているところです。

 〈大怪獣シリーズ〉への降臨迫る《うろこ怪獣メモール》に、どうぞご期待ください!

商品ページはこちら!! → https://jp.ric-toy.com/200417r.html

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超合体怪獣、堂々の再登場‼ /200384r/ Tue, 25 Feb 2025 01:42:18 +0000 /?p=265 筆者:秋廣泰生
ライター/映像演出家。元・円谷プロ製作部所属。1980年代後半より、ウルトラマンシリーズをはじめ、円谷プロ作品の映像商品の制作や、出版物、CDの構成執筆を手掛ける。VHS時代の再編集ビデオの殆どで編集・演出を担当。テレビ番組演出は『ウルトラマンボーイのウルころ』『ウルトラマン列伝』など。

惑星フェラントでの激闘をイメージしたカラーリングで、グランドキングが再登場!

 今回はなんと!2023年12月26日に出版された「エクスプラス 大怪獣シリーズ オールカラー図鑑 円谷プロ編」(ワールド・フォト・プレス刊 ) の発売記念として行われた〈大怪獣シリーズ〉の再販希望アンケートで、堂々第2位の得票数を集めた怪獣の紹介です。

 その名は超合体怪獣グランドキング‼

 1984年 (昭和59年) 7月14日封切りの劇場用作品『ウルトラマン物語 (ストーリー) 』でデビューした、その巨体で進撃し、ウルトラ兄弟も余裕で蹴散らすパワフルな実力派怪獣です!

 『ウルトラマン物語 (ストーリー) 』は、同年春に封切られた劇場用作品『ウルトラマンZOFFY ウルトラの戦士V.S大怪獣軍団』の舞台挨拶時に、登壇した当時の円谷皐社長が、ウルトラマンタロウを主役とする次回作の構想を披露したことが始まりと言われ、更に大杉久美子さんを迎えた同時上映作品 ( 後に『アニメちゃん』として結実 ) についても披露されたそうです。

 グランドキングのデザインを手掛けたのは『ウルトラセブン』の特撮班美術助手として円谷特撮のキャリアをスタートさせた山口修さんですが、これまでウルトラ兄弟に倒され、宇宙に漂う悪霊となった怪獣が結集したという設定から、コンセプトワークの段階では、例えるなら暴君怪獣タイラントに近い、様々な怪獣や宇宙人たちの各部位が組み合わされた姿であった様です。

 主役であるウルトラマンタロウを中心に据えた『ウルトラマン物語 (ストーリー) 』最初期の青い色調のポスターには、本編中に登場しなかった宇宙忍者バルタン星人(二代目)や、古代怪獣ゴモラなどの姿があるのに気付かれた方もいらっしゃると思いますが、そうした経緯から、実は彼らは企画段階で何らかの構想がなされていた怪獣たちだったのです。

 最終的なグランドキングの姿は、どこかしらにそれらのエッセンスを感じさせるものとなり、結果、このポスターは企画時の動向をうかがい知ることが出来るという、期せずして歴史の証言者となりました。

 〈大怪獣シリーズ〉としてのグランドキングは、これまで2回リリースされてきました。
 初版はグランドキングの主戦場となった「惑星フェラント」の赤い発光に照らし出されたイメージでの塗装を全身にまとっていました。

 再販時は “シルバーバージョン” と銘打ち、撮影時のスーツの実際のカラーリングに近いであろうという探究考察から、随所にシルバーを配色した姿となりました。

 そして今回は、再び惑星フェラント戦での姿に着目。ウルトラ兄弟たちの光線一斉発射を浴びてもなお!怯むことなく襲い掛かってくるシーンをイメージし、初版時のカラーリングから更に赤味、茶色味を強めた、メタリック感のある塗装仕上げとなっています。

 まさしく “激闘カラーバージョン” と言うべき姿でのカムバックです!

 ウルトラマンシリーズでは時折、実際のスーツの彩色と、特撮ステージでの照明効果や異空間の合成処理などで、全く色合いが違って見える怪獣が出現しますが、グランドキングは、その好例と言えます。

 グランドキングのスチールは大別して、スーツの納品直後、撮影所である東宝ビルトの屋外にて快晴の空のもと撮影された、前述の “シルバーバージョン” のイメージ原石として参考にされた姿のもの。そして塗装や造形などが再検討された後、特撮ステージで種々の照明下で撮影された、初版の彩色ベースとなったものがアーカイブされており、こうした視覚的な違いも総合的に解析しながら〈大怪獣シリーズ〉のグランドキングはリリースされてきました。

 今回の再販にも、そんな2つの姿を礎にしたカラーリングによる探究心が息づいており、改めてグランドキングの持つ歴史の奥深さを感じずにはいられません。

 グランドキングが第2位の得票数を獲得したその背景には〈大怪獣シリーズ〉としての完成度の高さに加え、なんと言っても封切りの頃に幼少期が重なった方々の 熱き “グランドキング愛” が令和の世に至るまで、大きく影響していた模様です。

 また現在『ウルトラマン物語 ( ストーリー ) 』のデジタルリマスター版DVDが発売されてから20年超という辺りも、“グランドキング愛” 第2世代の新たな熱意が醸成されていく時間となっていったのではないかと、思わずにはいられません。

 筆者にとってもグランドキングは実に大きな存在です。
 新怪獣が毎週続々と登場して心躍らせてくれた『ウルトラマン80』の1981年3月25日放送終了という形で、新怪獣登場の流れがカットアウトされることになってしまいますが…最終回で冷凍怪獣マーゴドンがジャイアントボール作戦で粉砕されてから実に3年超、映画館で最新のウルトラ怪獣が猛威を振るう!という、怪獣喪失感から一気呵成の駆け上がり感は、リアルタイム世代だけの特別な高揚体験ではなかったかと思います。

 また、撮影終了後のグランドキングは、各地の展示イベントでも威容を誇っていましたから、´90年代前半辺り位まで、実際のグランドキングの立ち姿を目にした方々もいらっしゃるのではないでしょうか。

 グランドキングはウルトラ兄弟よりも頭ひとつデカいボリュームある巨体ですから (流石は劇場版ウルトラマンシリーズ初の完全主演怪獣!) 、個人的な記憶を辿ると、普段の管理はもとより、展示設営も簡単では無かったことが思い出されます。

 劇中でのグランドキングには、事実上のラスボス怪獣としての役割があり、その圧倒的存在感や、頑強な表皮外装の質感を創出するために…当時の造形材料も影響したかとは思うのですが、グランドキングは、とにかく重い!そして硬い!

 グランドキングは、その当時でウルトラ怪獣No.1と断言しても良いのではと思えるボリューム感でしたから、頭部を含む全身もそうですが、尻尾も両腕も!まさに規格外のヘビー級でした。
 そして〈大怪獣シリーズ〉のグランドキングは、そうした感覚を迫真の存在感を込めた造形力で疑似体験させてくれていたことは、もはや言うまでも無いでしょう。

 そんなグランドキングに真っ向から取り組み、両腕を上げ体を震わせて威嚇し、一気に飛び掛かるウルトラ兄弟も見る間に凪ぎ払う、生命力みなぎる獰猛さで演じきったのが、スーツアクターを務めた宮本知彰さんでした。
 宮本さんは´80年代半ば、円谷プロで初めて結成された『悠翔アクションチーム』( 読み方は「ゆうひ」/命名は実相寺昭雄監督 ) の中心を担っていました。『仮面ライダー』(1979-80) にも友彰、知彰、知章などの名義で出演し、竹蔵名義で劇場用作品『仮面ライダー 8人ライダーVS銀河王』の銀河王を演じています。
(なお宮本さんは『ウルトラマン物語 ( ストーリー ) ではノンクレジットながら、ジュダも演じていました。)

 宮本さんは小柄な印象の方だったのですが、この体のどこからグランドキングを演じるパワーが!?と、驚かされた記憶があります。
 特撮監督を務めた高野宏一さんは、思い描いた演出イメージの追究には非常に厳しい方でしたから、あの力強いグランドキングは、まさしく宮本さんの努力や精神力の結晶なのだと感じています。

 一方、マーゴドンからグランドキングまでの間が完全に怪獣空白だったわけではありません。
 当時の感覚で言えば、ウルトラマンシリーズの外伝的新ヒーローとして〈アンドロメロス〉がデビューし、小学館の『てれびくん』誌上をはじめとしてカラーグラビア掲載がスタート。
 やがて『アンドロ超戦士』として物語性や世界観がスケールアップし、関東地区のみとは言え『アンドロメロス』はテレビ化も果たしていました。

 『ウルトラマン物語 ( ストーリー ) 』での黒幕として、数々の悪事をはたらき、グランドキングの誕生を画策した宇宙の帝王ジュダは、アンドロ超戦士シリーズからのスピンオフと言えるでしょう。

 実はグランドキングの咆哮音は、ベムズン、ギエロニア、キングジョーグら怪獣戦艦のテレビ登場時に製作された、種々の咆哮音をベースに作られたものでした。
 『アンドロメロス』と『ウルトラマン物語 ( ストーリー ) 』の両作で効果音を担当した須藤輝義さんの仕事場で、怪獣戦艦の効果音を聞かせていただいた、その時の感動的思い出は、今も鮮明です。

 なお、その出で立ちから、グランドキングはロボット怪獣の一種だと受け止められることが当時から度々でしたが、その原因というか、ロボット怪獣の如くに印象付いていった理由のひとつには、かの咆哮音が非常にマッチしたこともあったのかもしれないと思う、今日この頃です。
(個人的にグランドキングは、アンドロ超戦士やジュダの特徴であるボディアーマーの流れを汲んだ、“強固な装甲怪獣” といったイメージを抱いています。)

 こうしてみるとグランドキングには、ウルトラ怪獣としての様々な歴史があり〈大怪獣シリーズ〉でのカラーバリエーションにも、その時々の勇姿の再構築によって、歴史への思いを馳せることも出来るなど、双方共に、多彩な履歴書を携えているのが感じられてきます。

 スーツとしてのグランドキングは、既に長年の役目を終えて久しいのですが…歴史研究の上では、敢えてレプリカを自由自在に活用することで、より多くの人々の目に届き感性を刺激し、対象への研究が深まって、見解が様々に広がっていく可能性が高まるとも言われています。

 〈大怪獣シリーズ〉のグランドキングも、この通算〔3態目〕となる色感覚の違いから醸し出され導き出されてくる、時の刻みの一瞬を、より身近に留めておいておけるのではないかと、思わずにはいられないのです。

商品ページはこちら!! → https://jp.ric-toy.com/200384r.html

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猛威を振るった大鳩超獣、現る! /200344r/ Thu, 12 Dec 2024 09:22:54 +0000 /?p=250 筆者:秋廣泰生
ライター/映像演出家。元・円谷プロ製作部所属。1980年代後半より、ウルトラマンシリーズをはじめ、円谷プロ作品の映像商品の制作や、出版物、CDの構成執筆を手掛ける。VHS時代の再編集ビデオの殆どで編集・演出を担当。テレビ番組演出は『ウルトラマンボーイのウルころ』『ウルトラマン列伝』など。

多彩な攻撃手段を持つ強者超獣が大怪獣シリーズに登場!

 今回は〈路地裏の散歩者〉を担当させていただくようになって、初の“超獣”の紹介となります。『ウルトラマンA』第18話「鳩を返せ!」に登場する、大鳩超獣ブラックピジョンです。

 〈路地裏の散歩者〉読者の方々ならば説明不要とは思いますが、まずは “超獣” についての説明を。超獣とは異次元人ヤプールが宇宙生物と地球の動植物を〈超獣製造機〉によって合成して生み出した、異次元の生物兵器の総称です。
 ブラックピジョンは、その名からも分かる通り、三郎少年の飼っていた鳩の小次郎の脳髄が宇宙生物に移植されて誕生しました。

 超獣製造機の初登場は第6話「変身超獣の謎を追え!」で、ワニと宇宙怪獣の合成によって変身超獣ブロッケンが誕生しています。第6話の監督は第18話と同じ真船禎さんでしたから、宇宙の命も地球の命も軽んじる超獣製造機が、再び作劇に活かされた形です。

 鳩の脳髄がヤプールに利用されたのは、鳩が自分の営巣場所から遠く離れた場所で放たれても、きちんと営巣場所に戻ってくる〈帰巣本能〉に目をつけられたからでした。

 無人機の開発にあたっていた超獣攻撃隊TACは、北斗星司隊員の提案により、帰巣本能を持つ鳩が優先的にテストされる事になるのですが、これを嗅ぎ付けたヤプールが、鳩のTAC基地到着と思わせて、ブラックピジョンによる奇襲攻撃を仕掛けようと目論んだことが発端でした。

 劇中で小次郎と呼ばれる鳩は、伝書鳩として活用される様な専門的な訓練を受けた個体ではなかった様に見受けられますが、三郎少年との信頼関係によって、伝書鳩同様のはたらきをみせてくれます。

 筆者の記憶を振り返ると、あの当時、個人で鳩を飼う方々は少なくなかったように思います。例えば『ウルトラマン』第23話「故郷は地球」や『帰ってきたウルトラマン』第1話「怪獣総進撃」で、鳩を飼う少年が描かれていますが、当時の鳩を飼うための環境や設備などは、劇中のイメージで捉えて差し支えないと思います。

 ということは…「鳩を返せ!」での三郎少年の住まいは、昔ながらの木造住宅が密集する地域でしたから、壁越しでも意外と聞こえてくる鳩の鳴き声や飼育臭などが近隣からの苦情を招くのは間違いなく、1羽だけとはいえ、鳩を飼う環境に無いのは残念ながら明らかでした。

 また、劇中では鳩の病原菌の保持が指摘されています。ということは病原菌の媒介の主になってしまう可能性もあった訳です。

 もっともそれは、何も鳩に限った話ではなく、筆者の小学生時代には、あの小動物も、この小動物も…と、同様の注意喚起がなされていたのが思い出されるのですが、令和の世では「動物とふれ合ったらキチンと手を洗いましょう」といった具合に、万一の要素は正しく恐れることが一般的となっているのは言うまでもありません。

 さて、今回の主役・ブラックピジョンです。
 その全身像の印象をひと口で表現するならば、戦闘武装をまとった鳩でしょうか。
 第18話以前に登場してきた超獣は、基になった動植物の外見が増幅したイメージを持っていました。さぼてん超獣サボテンダー (第12話) や、大蟹超獣キングクラブ (第15話) などは、その名称や別名と共に好例と言えるでしょう。

 一方でブラックピジョンの場合は、全身像こそ鳩を想起させるシルエットで形成されていますが、胸部に鳩のイメージには無い、不自然に巨大な突起物を備えています。ウルトラマンAとの戦いではこれを射出。Aは直撃こそ免れましたが、その結果、背後にあったガスタンクが破壊され、大爆発を招いてしまいます。

 それはサボテンダーが不意に体のトゲを射出する、ある種の隠し武器を備えていたのとは違う、一見して明らかな大型武装と呼べるものでした。

 ブラックピジョンは、出自が鳩と明確でありながら、鳩とは一線を画するアンバランスさを備えた存在でもありました。

 それでは〈大怪獣シリーズ〉のブラックピジョンについて、みていきたいと思います。

 今回、ブラックピジョンの造形を手掛けたのは、原形師の判治靖郎さんです。
 〈大怪獣シリーズ〉を担当する原形師の方々は、みなさん写真や映像から生き写しの如くの《リアル表現》に長けているのは言うまでもありませんが、そこに “怪獣” をひとつの生命体として生き生きと感じさせ、ディスプレイが主となるであろう20数センチ大のフィギュアへ形成していくための《リアリティ表現》には、対象となる “怪獣” の何処をどの様に捉え、造形に反映させていくか、それぞれの感性と秘技がある様に思います。

 例によって、これは筆者なりの視点ですが、怪獣の〈リアリティ表現〉には、外見の中に、演じるスーツアクターさんの骨格を核であり芯として見出だし、全身像を構築していくか、または、怪獣の全身像そのものを特異な外見の生物を構成する要素として捉え、想像力をはたらかせて未知の骨格・皮膚感を見出だしていく手法とがある様に感じています。

 そして筆者の感じる〈大怪獣シリーズ〉のブラックピジョンの造形には、その両方が絶妙なバランスでミックスされている様に思えるのです。

 特にブラックピジョンの場合は、本来TAC基地の奇襲攻撃が使命であった超獣ならではの屈強さと共に、鳩のイメージから来る特有の浮遊感、あるいは繊細さ、か弱さに加えて、決して透けて見えてはこない内面を顔に刻むための表現が、造形上の肝であると考えられます。

 前述した胸部の突起も含め、ブラックピジョンについて、TACやAを追い詰める程、総合的に高い戦闘力を持った存在として捉えるのか、あるいは、変わり果てた姿ながらも少年の思いがこもった悲劇的な存在として捉えるか──恐らく〈大怪獣シリーズ〉のユーザーの方々にとっても、ブラックピジョンに対しては、それぞれに両極の眼差しがあることでしょう。

 そんなアンバランスさをたたえたブラックピジョンの表現について、判治さんのアプローチは、技巧を感じさせることなく、そのどちらにも自然と寄り添うことに貢献していると思えるのです。

 そして〈大怪獣シリーズ〉としての重要なポイントとなるのが、眼の表現です。

 ブラックピジョンの眼は焦点が定まっていない様に見受けられます。これは、かつては鳩であった痕跡である以上に、地球の生命体としての自我が喪失している表現だと思えます。

 ブラックピジョン以前に登場してきた超獣たちは、設定的には異次元の生物兵器とされヤプールの命令で行動し、特殊能力や武器を備えつつも、特撮班としては、従来の様な怪獣と変わりなく、意思を持った存在として演出しているのが感じられます。

 顕著な例として挙げられるのが、眼を意識した顔のアップです。
 超獣は、ヤプールの尖兵として破壊活動に徹する無機質な破壊の権化ではなく、標的である高層ビルに反応し、空を行くTAC機に狙いを定め、Aを威嚇する視線を見せつけていきます。

 その事を意識してブラックピジョンを振り返ると、その顔であり眼の異質さに気付かされます。
 また、顔の要素のひとつであるクチバシも、実際の鳩とは違って鋭さは皆無であるなど、総じて戦闘力や攻撃性は感じられません。
 ですが、それこそがAを油断させる偽装であるとの解釈も成り立つ部位でもあるのでしょう。

 これら複雑に絡んだ要素への判治さんのアプローチを第一段階とするなら、第二段階となるのが〈大怪獣シリーズ〉が培ってきた塗装術です。

 端的に言えば、ここには造形と塗装の合作であり、コラボレーションが存在する──そんな思いを抱かずにはいられません。

 突き詰めれば、劇中に登場するブラックピジョンは、何故この様にデザインされ、何故この様に造形されたのか。そして、どの様な存在として息づいていたのか。
 更にはそうしたブラックピジョンを、どの様に受け止め、理解するか──そんな果てのない試行錯誤が配色となり、陰影になっていると思うのです。

 このブラックピジョンを、並み居る〈大怪獣シリーズ〉の超獣たちの中に立たせれば、ブラックピジョンの特異性は、より際立ってくることでしょう。
 そして反対に、ただ1体超獣を手にするのならば、ブラックピジョンこそが、地球の生命体が蹂躙された結果を色濃く残し、地球人にとって超獣の本質を突きつけてくるオブジェに成り得るのではないでしょうか。

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円盤生物第2号!ブラックドーム登場! /200371r/ Tue, 08 Oct 2024 09:59:09 +0000 /?p=235 筆者:秋廣泰生
ライター/映像演出家。元・円谷プロ製作部所属。1980年代後半より、ウルトラマンシリーズをはじめ、円谷プロ作品の映像商品の制作や、出版物、CDの構成執筆を手掛ける。VHS時代の再編集ビデオの殆どで編集・演出を担当。テレビ番組演出は『ウルトラマンボーイのウルころ』『ウルトラマン列伝』など。

恐怖の円盤生物第2号が大怪獣シリーズに登場!

 着々とラインナップを増やしつつある『ウルトラマンレオ』に登場した怪獣・宇宙人の〈大怪獣シリーズ〉化。ここにまた新たな1体として、恐怖の円盤生物が加わることになりました!

 『レオ』の最終回を盛り立てた強敵であり、2020年5月に〈大怪獣シリーズ〉として発売された円盤生物ブラックエンドに続くのは、ブラックスターの地球侵略円盤生物の第2号、ブラックドームです!

 ブラックドームが猛威を振るうのは第41話「恐怖の円盤生物シリーズ! 悪魔の惑星から円盤生物が来た!」でした。
 このエピソードでは、空飛ぶ円盤大好き少年がゲスト主役として登場します。

 世界の各地で撮影された円盤の写真を集めたファイルが垣間見えたり、天体望遠鏡を空に向けて円盤を探したり、遂には正体がブラックドームとは知らず、眼前に迫ってきた円盤を鏡に反射させた光で呼び寄せようとします。

 こうした描写は『レオ』の放送が開始された昭和49年 (1974年) 当時、児童誌で[空飛ぶ円盤]や[宇宙人]の目撃情報、円盤や宇宙人らしき物体を捉えた写真記事や遭遇体験が特集され、それらの社会情勢がフィードバックされたものと、小学校1年生での『レオ』リアルタイム視聴者の筆者は受けとめています。

 それは恐らく「恐怖の円盤生物シリーズ!」成立の根幹でもあったのでしょうし、筆者の記憶の中にある記事も、当時流の児童向けノンフィクションとして、迫真性に溢れていたと振り返っているところです。

 と同時に『レオ』での星人や宇宙怪獣到来率の高さ、星人出自の天体が様々な事情と共に語られたりするのも、そうした記事がヒントになっているのではと感じるところがあります。

 また『レオ』と同時期に放送されていた円谷プロ作品『SFドラマ 猿の軍団』にも[空飛ぶ円盤]が、地球の情勢に関わる存在として出没していましたから、当時の[空飛ぶ円盤]への関心度の高さがうかがえます。

 続いては〈大怪獣シリーズ〉に到来するブラックドームに注目してみたいと思います。
 今回、大怪獣シリーズ「ブラックドーム」の造形を手掛けたのは原型師 増川信二さんです。

 増川さんは特撮系のキャラクターはもちろん、アニメなどの2次元キャラクターも極めて写実的に造形する、見事な手腕で知られています。

 そうした中で筆者は、増川さんの造形テクニックについて、実に不思議に感じているポイントがあります。
 それは例えば造形対象が架空の存在だったとしても、実在の生物の様な  “潤い” 度数の高さ、あるいは低さを宿らせている様に感じられるところなのです。

 そのテクニックの謎と秘密は何なのか、筆者の付け焼き刃の知識では解明出来ませんが、その表現力はブラックドームにも着実に活きていると感じられてきます。

 ウルトラマンシリーズの特撮ステージは、たくさんの照明機材が発する熱や、種々の特殊効果で発生する大量の埃などで非常に乾燥しがちなのですが、それらが影響しているのかどうか、時折、“乾燥肌” を思わせる怪獣がみられることがあります。
 個人的にブラックドームも、そうした “乾燥肌” の1体と感じていましたから、増川さんという人選は、まさしく適材適所。ブラックドームにうってつけ!と小躍りしてしまいました。

 なお『ウルトラマンT (タロウ) 』に登場した宇宙大怪獣べムスター (改造) にも、個人的に “乾燥肌” 感を抱いているのですが、実は〈大怪獣シリーズ〉のべムスター (改造) も、増川さんの造形であったと知り、その表現力に大納得です。

 もちろん〈大怪獣シリーズ〉は高度な塗装技術が持ち味です。塗装によるウェット感・ドライ感表現がありますが、増川さんの手掛けた怪獣は素地からして、皮膚表現の謎と秘密が隠されている気がするのです。

 そして言うまでも無く、ブラックドームの写実的表現は、映像や写真からそのまま抜け出てきたかの様で、こうして画像で見て感嘆するだけでなく、手に取ってみた時、実物標本の縮小レプリカの如くの感覚を味わえるのではないでしょうか。

 思うに近年、カプセルトイやプラモデルなどで昆虫や甲殻類など節足動物のリアルフィギュア化がひっきりなしですが、ブラックドームも外見的に宇宙的節足動物の一種でしょうから、リアル造形とは本来的に相性がいいのかもしれません。

 さて!ブラックドームの〈大怪獣シリーズ〉ラインナップ化と聞いて、真っ先に思ったのが「これは推し活に使える!」ということでした。

 恐らく〈大怪獣シリーズ〉の楽しみ方としては、お部屋でのディスプレイが主流ではと思うのですが、ここで新たに提案したいのが、ブラックドームを連れてのお出かけです!

 昭和40年代後半から『レオ』放送の頃にかけての特撮テレビ番組を知る方々なら、第41話の劇中で円盤探しをしていた廃墟は、様々な作品でロケ地に重宝されていた、通称[おばけマンション]と呼ばれていた所だと、すぐに気付いたことでしょう。

 撮影から既に50年を経過しようという現在、この廃墟は跡形も無く存在しませんが、劇中から様々に読み取れたり想像される位置関係によって、ブラックドームが飛来してきた方向が推測出来ますから「恐らくこの辺りの空で本性を現した?」と想像力をはたらかせながら、空をバックにブラックドームを撮影してはいかがでしょう?

 〈大怪獣シリーズ〉化されたブラックドームは、間違いなく推し活バッグにフィットしたサイズ感で、一緒のお出かけにも最適です!

 また、より高度な推し活を求める方は…実は特撮パートに登場する城南大学の複数の校舎として、第21話「見よ!ウルトラ怪奇シリーズ 北の果てに女神を見た!」で、札幌の時計台をモデルにした建造物のミニチュアが再び使われていましたから、イマジネーションを更に更に増幅させて、札幌でのブラックドーム撮影に臨んではいかがでしょう?(笑)。

 お手元にブラックドームが届くまでの時間は、撮影プランを練るための時間でもあると考えれば、楽しみも倍増です!
 それでは〈大怪獣シリーズ〉ブラックドームの襲来に、ぜひ手鏡を磨き上げてお待ちください!

予約ページはこちら!→https://jp.ric-toy.com/200371r.html

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猛威をふるった再生怪獣!サラマンドラ登場! /200342r/ Fri, 06 Sep 2024 02:49:51 +0000 /?p=203 筆者:秋廣泰生
ライター/映像演出家。元・円谷プロ製作部所属。1980年代後半より、ウルトラマンシリーズをはじめ、円谷プロ作品の映像商品の制作や、出版物、CDの構成執筆を手掛ける。VHS時代の再編集ビデオの殆どで編集・演出を担当。テレビ番組演出は『ウルトラマンボーイのウルころ』『ウルトラマン列伝』など。

大怪獣シリーズにゴルゴン星人が操る再生怪獣、サラマンドラが登場!

 今回は『ウルトラマン80』第13話「必殺! フォーメーション・ヤマト」に初登場した再生怪獣サラマンドラの登場です。

世界各国のUGMキャップを手にかけていったドクロ怪人ゴルゴン星人が操る怪獣で、都心の高層ビル密集地帯で大暴れします。

 唯一の弱点である喉を攻撃する以外、サラマンドラを倒す方法はありません。しかも喉は前傾した頭部に隠れ、防護されている状態であるため、頭部を上に向かせなければ喉が攻撃出来ません。

そして喉を攻撃出来たとしても、サラマンドラは、細胞の一片が残っていれば、ゴルゴン星人がすぐさま元の姿に再生させてしまうという、まさに難敵中の難敵です。

 サラマンドラという怪獣ネーミングの由来は不明ですが、両生類の中にも似た名を持つものがいますし、頭部の後方に伸びた突起がいくつもあるところについては、外見的な共通点を備えた両生類も存在しています。

 また、サラマンドラには再生能力がありますが、一部の両生類にも再生能力があるなど、諸々の要素がイメージの源泉になっているのでは?と思うことがあります。

 一方でサラマンドラの頭部は両生類とは一線を画し、まさしく強敵怪獣らしいコワモテですが、これはデザイン画にキングギドラの様に怖くするよう指示があることをご存じの方もいらっしゃるでしょう。第13話の特撮監督は、後に『ゴジラvsキングギドラ』の特撮を手掛けた東宝の川北絋一監督でしたから、こうしたところ等々から、川北監督のイメージする強い怪獣・怖い怪獣のルーツを辿ることが出来るのかもしれません。

 なるほどサラマンドラの傍若無人な大暴れっぷりは圧倒的! これぞ怪獣大特撮と呼ぶに相応しい場面の連続です。

 また、第13話はUGMの大型母艦スペースマミーの初の本格的活躍が描かれることでも知られ、現在の様にSNSが発達していれば “神回” として、即バズること間違いなしでしょう。

 ですが1980年当時は、放送後の反響が広く伝わったり、共有される術が殆んど皆無。加えて当時の児童向け月刊テレビ雑誌では、毎週登場してくる新怪獣にスポットを当てる特集が常でしたから、サラマンドラが振り返られる機会もないままで、更に『ウルトラマン80』の放送終了後には、オリジナル新怪獣よりもバルタン星人やゴモラⅡ、レッドキングが注目されがちで、もちろんこれらの怪獣たちも『80』の魅力ですが、リアルタイム視聴してきた自分としては、なんとも寂しい思いがありました。

 そんなところへ『80』のレーザーディスク化の話が持ち上がります。時に1989年。浅香唯さんのCDやPVを発売していたハミングバードさんからのリリースで、いち早く『80』をアナログ特撮の最高峰と評価してのものでした。

 この時、たいへんありがたいことに、時の円谷プロ営業部より『80』リアルタイム世代ということで指名がかかり、レーザーディスクとVHSビデオの同時発売ということで、ジャケットや解説書などの印刷物まわり、それぞれのフォーマット編集による完パケ製作を拝命しました。

 そこで! ここぞとばかりに『80』を代表する怪獣だぞ!と、レーザーディスク発売直前に制作することになったプロモーションビデオでは、(特撮の見応えある怪獣たちと共に) サラマンドラの猛威を大量投入! レーザーディスク封入の解説書には写真をふんだんに、可能な限り大判で掲載していきました。

 これが効を奏したのかどうかは分かりませんが、サラマンドラの復権が叶ったが如く、後に、時のウルトラ怪獣ソフビシリーズで、ギコギラーとサラマンドラが新規造形でラインナップに加わった時には (全く手前味噌な感慨ながら) もう、感無量の一語でした。

 しかも! 令和の世に栄えある〈大怪獣シリーズ〉でサラマンドラの堂々ラインナップです。もう何度でもサラマンドラには甦っていただきたいと思います‼ (笑)。


 それでは〈大怪獣シリーズ〉サラマンドラに話を移しましょう。

 今回、原型を担当したのは外島孝一さん。円谷プロでの番組制作では、秋廣が演出、外島さんがナレーターやスーツアクターとして、よくお世話になっています。この夏も互いに『80』関係の仕事に関わり、スタジオで丁度入れ替わりになった時、外島さんにサラマンドラの原稿を書かせていただくご挨拶をしたりしました。

 また『ウルトラセブン1999 最終章6部作』では秋廣が選曲、外島さんがスーツアクターと、ちょっと変わったお付き合いもありました。
 このほか外島さんはウルトラ系食玩フィギュアの原型も手掛けるなど、とにかくマルチな活躍は素敵です。脱帽です!

 それでは外島さんの手掛けたサラマンドラについてですが…ひと目見てビックリしたのが、全体形状の再現度です。
 劇中のサラマンドラは比較的痩身なのですが、これまで発売されてきたサラマンドラのソフビや塩ビ人形 (←いわゆる “消しゴム怪獣” ) などの立体物は (当たり前ですが) 玩具的アプローチで、全体的に立ち姿がゆったりと安定感がある印象でした。

 令和の世の〈大怪獣シリーズ〉サラマンドラは、そこを飛躍的に突破。筆者がサラマンドラに個人的に抱いている、蛇の様な怖さ、しなやかさを見事に宿していると感じました。

 『ウルトラマン80』が製作・放送されていたのは文字通り1980年 (昭和55年) ですが、この数年ほど前から造形の技術と素材の急速な発達が、デザイン感性の飛躍をバックアップ。これにより海外SF特撮作品にはリアリティに満ちたクリーチャーが続々登場して注目される様になってきており、『80』の怪獣たちにも、その影響がジワジワと波及してきていました──これは筆者の主観ですが、これらを受け、色彩感覚と細密な表皮表現で最初のピークに到達したのは、サラマンドラではなかったかと思うのです。
(この辺り、前駆者であるタブラやガビシェールの功績をスルーは出来ないのですが、それはまた別の機会に!)

 この〈大怪獣シリーズ〉的視点によるプロポーション構築のためのアプローチによって、サラマンドラの表皮に全体にめぐらされた、五角形の積層した立体パターン (再生する細胞~細胞壁の抽象化でしょうか?) が、玩具にみられた造形的モールド再現ではなく《再生怪獣サラマンドラ》という生命体特有の紋様として正しく伝わってくるのが感じられてきます。

 更には、これを浮き立たせるようでいて決して強く主張せず、全体としてはサラマンドラという怪獣の威容や凄味に決着させる、前述の様な「ディティールではなく紋様」なのだという、塗装術の匙加減には、感動的な期待がわき上がりました!

 また、サラマンドラの造形で見逃せないのが、熊手の様な形状をした尻尾の先端があります。ここはビル街の中で猛威を奮う状況では全く気付かず (気付かれず!)、エイティに投げ飛ばされ尻尾が跳ね上がって初めて判明する、ある種サプライズ的なポイントです。


 そうです、サプライズ的なポイントと言えば、もうひとつ! サラマンドラには頭を上に向けなければ確認出来ない、唯一の弱点・喉があります。

 これも前述しましたが…仮に先の五角形パターンをサラマンドラの全身を覆う細胞壁と捉えれば、喉はいかにも軟らかさを感じさせ、皮膚が外部にさらされているかの様な印象です。

 つまり、誰の目にも弱点感を抱かせる、特殊で特有な “質感” も〈大怪獣シリーズ〉は見逃していません。

 加えて特に塗装で注目したいのが、サラマンドラの爪への観察眼です。キャラクタースーツとしての爪へのアプローチには、その時々に求められた演出意図などによって造形材料が選択されていきますが、その材料や下地の処理方法によって、塗料のノリ具合も微妙に変化します。

 今回のサラマンドラは、そのノリ具合も注視しているのが感じられてゾワゾワっとキマシタ‼

 これら、いくつものポイントの〈大怪獣シリーズ〉としての構築は、サラマンドラというテーマに向き合う誠実さ、確かさの証明ではないかと感じているところです。
 また、そこには実際に撮影用の怪獣に接した経験多数の外島さんならではのアプローチもしっかり生きていると確信しています!

 来年は遂に『ウルトラマン80』45周年を迎えるこの好機! 〈大怪獣シリーズ〉サラマンドラが、あなたのお手元で猛威を奮うのも間もなくです‼

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宇宙帝王 バド星人 現る! /200329r/ Thu, 04 Jul 2024 06:48:02 +0000 /?p=127 筆者:秋廣泰生
ライター/映像演出家。元・円谷プロ製作部所属。1980年代後半より、ウルトラマンシリーズをはじめ、円谷プロ作品の映像商品の制作や、出版物、CDの構成執筆を手掛ける。VHS時代の再編集ビデオの殆どで編集・演出を担当。テレビ番組演出は『ウルトラマンボーイのウルころ』『ウルトラマン列伝』など。


〈大怪獣シリーズ ウルトラセブン編〉ラインナップもいよいよ大詰め!
バド星人が仲間入り!

  〈大怪獣シリーズ〉の『ウルトラセブン』登場怪獣・宇宙人も、いよいよ大詰めに迫ってきました!
今回、新たにラインナップに加わるのは第19話『プロジェクト・ブルー』に登場した ─ 宇宙帝王 バド星人 ─ です。
それでは早速!ポイントとなる仕様を紹介していきたいと思います。

 まずは何と言っても!全身を包む整然としたウロコ状構成物体の再現に注目です!

 ウルトラ怪獣特有の独創的なディティールに挑戦し、数々の立体表現を実現してきた〈大怪獣シリーズ〉が満を持して、バド星人の細密で規則性の際立つアイデンティティを、その内側に存在する筋肉美を浮き立たせながら、かたち作ってみせています。

 “神は細部に宿る” といった表現にもある様に、こうしたところの再現を疎かにしないことで《バド星人》の本質が〈大怪獣シリーズ〉へと結実しているのが感じられてきます。

 この、規則的であっても無機質ではない、造形面・塗装面に代表される感性の取り組みと、これをフィードバックする整形・生産との融合を、ぜひ手に取って感じていただきたいと思うのです。

 そして頭部。外形自体はシンプルですが、顔の中心部へ向かう様な幾重の隆起と彫りによって、劇中のバド星人は、数多あるウルトラ怪獣にあっても唯一無二の個性を放っています。

 外耳と思われる左右の部位も含めて、シンメトリーでない隆起と彫りの奇妙な波は、精緻なウロコ状構成物体と比較すると、なんともアンバランスな印象を受けますが、だからこそ劇中では照明効果を受けて、不安を煽る陰影を浮かび上がらせるポイント。
すなわち!ここは〈大怪獣シリーズ〉としても造形の大きな要と言えます。

 この点についてもぜひ!お手元でフィギュア用の照明を使って、異形だけが発揮出来る恐怖を浮かび上がらせていただきたいと思うのです。

 なお、バド星人の頭部の全体像について個人的な考察ですが──頭脳の超高度な発達と、食の激変で使用頻度が激減した顎や口が退化したため、逆三角形が形成される──といった、昭和の時代にイメージされていた、SF的未来人の概念を彷彿とさせるものがあって、現在の視点では、ある意味、レトロフューチャーの象徴とも捉えられます。

 この辺りがニュージェネレーション・ウルトラマンシリーズにあっても異彩を放ち、度々の登場と活躍 (暗躍?) に繋がっているのではないかと個人的に思っているのですが、いかがでしょうか?

 商品紹介に戻りましょう。
 そして、第3の注目箇所としてアピールしておきたい仕様が、塗装による眼の表現です。目力と潤いを感じさせる塗装によって、あたかも不敵な生命力が宿るかのようです。

 先に紹介した顔面の幾重の隆起と彫りとを、仮に、宇宙の知的生命体を長きに渡って滅ぼし続けてきたという、“歪に刻まれた年輪に相当するもの” だと捉えてみた時、なお衰えない、“老獪な宇宙的長命” を表現しているのが “眼” ──そんな想像も廻らせてくれる巧みな塗装こそ、じっくりと間近で感じていただきたいと思うのです。

 さて!バド星人に絶対に欠かせないオプション的アイデンティティが、ウルトラセブンとの対決で繰り出された〈宇宙メリケン〉です!

 改めて、ここでの「メリケン」について説明しておくと──現在では「ナックルダスター」の呼び名の方が一般的かと思われる、指を通して拳で握りしめる様に装着し、打撃力を高める武器のことで、昭和のプロレスシーンでは、まさに劇中のバド星人そのままに、悪役レスラーの卑劣な隠し武器として繰り出されていました。

 ちなみにウルトラセブン対バド星人の演出には、ウルトラマンシリーズ初の “コマ落とし撮影による格闘” を導入。スピーディーなバトルが展開されています。

 バド星人の出番は本編パートが主体でしたから、特撮パートでは限られた時間で、いかに戦いの手数を多く見せるかという工夫があったと推測される訳ですが、その中でもバド星人が〈宇宙メリケン〉を装着するプロセスはカットを割って明瞭に描かれており、結果、非常に認知度の高い武器として、ウルトラ怪獣の歴史に刻まれるところとなっています。

 フィギュアとしてのプレイバリューを広げるオプションパーツも見逃せない〈大怪獣シリーズ〉ですから、もちろん〈宇宙メリケン〉も付属。
 これをセットするだけで、本編パートの知的戦略宇宙人から、ウルトラセブンを怯ませる特撮パートの敏捷な武闘派宇宙人へと早変わり!
 オプションパーツひとつで異なるイメージを引き出せるのも、バド星人だけが持つ特徴と言えるでしょう。

 2ウェイでイメージ再現を楽しめる〈大怪獣シリーズ〉バド星人に、どうぞご期待ください‼

予約ページはこちら!→https://jp.ric-toy.com/200329r.html

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大怪獣シリーズ ULTRA NEW GENERATIONにモンスアーガー参戦! /200311p/ Fri, 17 May 2024 07:38:22 +0000 /?p=58 筆者:秋廣泰生
ライター/映像演出家。元・円谷プロ製作部所属。1980年代後半より、ウルトラマンシリーズをはじめ、円谷プロ作品の映像商品の制作や、出版物、CDの構成執筆を手掛ける。VHS時代の再編集ビデオの殆どで編集・演出を担当。テレビ番組演出は『ウルトラマンボーイのウルころ』『ウルトラマン列伝』など。


2024年5月!〈大怪獣シリーズ〉に平成のウルトラ怪獣が新たに加わります!

 その名は〈モンスアーガー〉──『ウルトラマンダイナ』第11話「幻の遊星」で初登場し〈破壊獣〉の別名で呼ばれる、攻守に優れた生物兵器の一種とされる怪獣です。

 今回は撮り下ろし写真を交えながら、モンスアーガーの魅力を紹介していきたいと思います!

 地球と同様の自然環境に満ちたメラニー遊星の地下施設で、円筒形のカプセル内に収められていましたが、実は自然環境は、遊星への来訪者を殲滅するための実体の無い罠でした。モンスアーガーは覚醒・巨大化すると、調査に訪れていたスーパーGUTSに猛威を振るい、ウルトラマンダイナとの一騎討ちになだれ込みます!

 なお、同種族の怪獣が第31話「死闘!ダイナvsダイナ」にも登場。〈モンスアーガーⅡ 〉です。
 モニター越しに、その姿を目にしたスーパーGUTSのマスコットであるハネジローが「アーガー!」と驚きの声をあげていましたが、実は〈アーガー〉は、企画時での名称だったと言われています。

 また、令和の時代にも更なる個体が『ウルトラマンデッカー』第4話「破壊獣覚醒」に登場するなど、モンスアーガーへの注目度の高さがうかがえます。

 〈平成ウルトラマンシリーズ〉第1作『ウルトラマンティガ』では、物語の展開から発想された姿形の怪獣が比較的多かったのですが、続く『ダイナ』では、特徴や能力から発想された姿形を持つ怪獣が続々と登場するようになります。

 第11話ならびに第31話で本編・特撮ともに演出を手掛けた原田昌樹監督は、初代『ウルトラマン』のリアルタイム世代で (撮影現場で愛用していたアポロキャップの側面には科学特捜隊の流星バッジ!) 、モンスアーガーの体躯にも『ウルトラマン』の登場怪獣たちの様な、力強さとスマートさがみられ、原田監督の抱く怪獣感が伝わってくるようです。

 もちろん第31話での同種登場も、自分の撮った怪獣を大事にする、原田監督の怪獣愛の賜物でした。

 また、第11話はウルトラマンダイナ ストロングタイプの活躍回でもあり、隆々とした互いの量感の拮抗や、ボディーカラーでも赤系対赤系と、実力伯仲が意識されたバランス感覚も見事です。

 その一方で第11話は、ハネジローの初登場回でもあるので、黄色系のハネジローと被らないカラーリング設定もまた、手堅い趣向と言えるでしょう。

 モンスアーガーの原型は、まさに今、破壊の歩を踏み出さんとする絶妙なポージングが施され、ボディーが重心移動していく瞬間が捉えられていると共に、標的に鋭く狙いをつけた視線を支える首の角度と、五指の各々が破壊の意思を宿すかの如く、全身に通う骨格が感じられてきます。

 各所のヒレも劇中のイメージを正確に追いつつ、向きが繊細に調整されており、進撃の意思やボディーラインとの絶妙な同期も見出だせてくるようです。

 これらの造形と監修にあたっては細部に至るまで慎重な手数が踏まれていったとのことで、モンスアーガー単体でも、その魅力を再認識させてくれるだけでなく、ぜひともダイナと向き合わせたくなる絶品ではないでしょうか!

 劇中イメージに近付けられたライティングで、モンスアーガーの強者度も倍増。ハネジローが教えてくれた頭部の弱点も妖しくアピールです!

 加えて今回は、モンスアーガーの完成度を更に感じていただきたく特別趣向として、塗装前の原形画像も紹介していきたいと思います!

 リアル塗装されたモンスアーガーを、仮に “怪獣フィギュア” と捉えるなら、グレー1色のモンスアーガーは、いわば “怪獣スタチュー” と言えます。

 大怪獣シリーズを精緻な復元模型として楽しむ方々ならば、グレーの単色状態は、立体構成や細密ディティールの確認に大いに参考になるのではと考えました!

 いかがでしょうか? 〈 大怪獣シリーズ ULTRA NEW GENERATION 〉モンスアーガーは、2024年5月17日から13時から予約開始!

予約ページはこちら!→https://jp.ric-toy.com/200311p.html

魅力的なラインナップが続々と進行中の〈大怪獣シリーズ〉最新情報に、どうぞご期待ください!

最後までご覧いただき、ありがとうございました!


☆最後になりましたが、僭越ながら執筆者の自己紹介をさせていただきたく思います。
今回より新たにブログ担当を拝命させていただきました秋廣泰生 (あきひろやすお) です。
特技は古代怪獣ゴメスから妖骸魔獣ゴンギルガンまで (2024年4月現在) 、すべてのウルトラ怪獣/円谷怪獣を並列に捉えていることで、歴史ある壮大な〈大怪獣シリーズ〉を、より多角的に楽しんでいただけるよう、怪獣愛に務めていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

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